第三回ジャズの名曲〜味わい深い民族音楽〜
今回はジャズの中でも民族色の強い曲をご紹介していきたいと思います。
”The God Of Yoruba”
本アルバムはホレス・シルヴァーのSilver’N Percussion(1977年)に収録されています。
この”Silver’N”が気になるところですが、これは直訳すると”シルヴァーと〜”
という意味になり、このアルバムはPercussionとのコラボアルバムということです。
他にもSilver’N Voice, Silver’N Strings, Silver’N Wood,..などあることから
彼の実験的な音楽制作時期として知られており、このアルバムはスピリチュアルの要素が強いとされています。
また、Michael Babatunde Olatunji(マイケル・ババトゥンデ・オラトゥンジ)がパーカッションを演奏していることにも注目です。
”Kathy”
ブラジルの作曲家、モアシル・サントスのアルバム、サウダージに収録されています。
1974年にブルーノートレコードからリリースされたものです。
どこか懐かしいような、そんな気持ちを起こさせる曲です。
”Manteca”
同曲はチャーリーパーカーと共にビバップの生みの親として知られる天才トランペッター
ディジー・ガレスピー(写真右)キューバのパーカッショニスト、チャノ・ ポゾ (写真左)そしてギル・フラーが共同で執筆したもので1947年に発表されました。
当時、ビバップは大衆にとって複雑でとっかかりにくいイメージがもたれていました
そこでディジー・ガレスピーはリズミカルで、体を動かしたくなるような曲を演奏することで
より多くの人にビバップという新しい音楽を聞いてもらおうと試みました。
アフロキューバンジャズの最も初期の作品として知られています。
また、彼はトークやダンスで観客を楽しませる才能や当時としては珍しい、後輩へも惜しみなくジャズ理論の知識を提供しました。
音楽だけでなく、その人柄からも魅力を感じる人物と言えるでしょう。
ちなみにディジー・ガレスピーの印象的な曲がったトランペットは
パーティーで騒いだ客に誤って人に踏みつけられてしまったのが始まりで
そのことに怒ったディジーでしたが、どうやら音は鳴ることに気がつきます
さらにトランペットの先のベルの部分がプレイヤーに近いことから
自分の音を聞くことができるので、優れていると、機嫌を良くしました。
それ以降、彼は特注で曲がったトランペットを愛用するようになり
彼のトレードマークとなっていくのです。
今日のオススメアルバム
ジョー・ヘンダーソンのPower To The Peopleより”Afro Centric”
フュージョンより少し前の時期のアルバムで、メンバーにはBass ロン・カーター
Electronic Pianoにハービー・ハンコックなど、マイルス・デイヴィスのバンドで
実力を見出されたメンバー達です。
それでは!!