A LIFE IN JAZZ|第二章|一度きりの人生を豊かに過ごす秘訣

音楽の紹介やその雑学、読書、生活知としての哲学、など幅広く書いています。

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第8回ジャズの名曲〜Giant Stepsの秘話〜

I Want To Talk About You

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 ジャズピアニストの福居良(1948-2016)さんの演奏です。
今まで、日本人のジャズのプレイヤーの中でここまで力強いビバップのスタイルの方を知らなかったのですが、調べてみるとかなり変わった経歴の持ち主であることがわかりました。(以下ウィキ参考です)
 福居さんは北海道出身、父と母は全盲でしたが旅芸人の一段を率いていたそうです。
彼は18歳にアコーディオンを、そして父の勧めで22歳からピアノを始めレコードを聴き、コピーするなど独学で腕を磨いたそうです。そして腕を磨くために上京、渡辺貞夫ら一流ジャズマンらと共演する中で成長していきました。
 その後、生涯の師となるジャズピアニストのバリー・ハリスと出会うことになります。
一般的なジャズミュージシャンは子供の頃からピアノや音楽を習うことが多い中、彼の音楽の功績は”何かを始めるのに遅すぎることはない”、ことを明しているのかもしれません。

Gregory Is Here

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 ニューヨークで活躍する若手アメリカ出身の女性サクソフォニストのアレクサ・タランティーノさんの演奏で2020年のリリースのアルバムClarity(明確さ)に収録されています 。
 原曲はファンキーなスタイルで知られる、ホレスシルヴァーが作曲、そして彼の実験的なアルバムとして知られるIn Pursuit Of 27 Manに収録されていた曲です。
原曲ではクインテット編成でフロントにテナーサックス、トランペットだったのに対し彼女はカルテットの編成でフロントはアルトサックスのみです。また、ホレスの鍵盤楽器のグランドピアノは、エレクトロニックピアノにとって変わられています。重たいビートのドラムで、現代風に大きくアレンジされています。
私自身原曲も大好きだったのですが、このアレンジは良い意味で全く違った曲を作り上げました。

Giant Steps

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ジョン・コルトレーンがアトランティックレーベルでリリースした名盤、Giant Stepsのカバー、ピアニストのトミー・フラナガンの演奏です。実は、コルトレーンの原曲でもトミー・フラナガンが演奏しているのです!
ここで、疑問が湧くことでしょう、なぜ同じ曲を同じ人物が??ここには大きな秘密がありました。
 このGiant Stepsという曲は、当時トップレベルに難しい曲とされていました。
テンポは早いし転調の嵐、さらに少し専門的な言葉で言うと長3度上のキーに転調するという(一般的には完全4度上などが多い)かなり斬新な曲でした。
 そのため、その時代に自由にアドリブをとることができたのは作曲者のコルトレーンくらいであり、ピアニストのトミー以上のアドリブをとることは当時の誰にもできなかっただろうとも言われています。
 実際、ジャズピアニストのトミー・フラナガンの苦戦している様子がレコーディングに残っています。
最終的に、Giant Stepsは大変有名なアルバムとなってしまいました。トミーはさぞ悔しかったでしょう。
 その汚名を返上するかのようにトミーはその後、ピアノトリオ編成でGiant Stepsの演奏をアルバムに収録しました。それがこの動画の演奏になります。
 (彼の素直な気持ち?を表しているユーモアのあるコメントを見つけたので共有笑)

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