A LIFE IN JAZZ|一度きりの人生を豊かに過ごす秘訣

音楽の紹介やその雑学、読書、生活知としての哲学、など幅広く書いています。

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第四回 ズージャ会議〜ジャズが若者にウケない理由を考える〜

こんにちは

今回はジャズがなぜ若者に広まらないのか、個人的に思うことを書きました。

”オシャレな音楽”というレッテル

僕自身がそうだったのですが、若い人は特に”ジャズ”というだけで、オシャレな音楽というイメージをもたれる方が多いです。もちろんこういった”プラスなイメージ”をもってもらえるのは嬉しいことなのですが、一部の若い人は”ジャズを聞く奴は気取ったやつ”的な印象をもっているそんなケースも多いような気がします。実際、自己紹介で”好きな音楽はジャズなんです”と話すと、Popsや流行りのアーティストと比べて、理解できない的な壁、または斜に構えたやつ、という風に思われやすいのではないかと思います。もちろん、ジャズの聴き方は人それぞれではありますが、日常的に聴いている人は、意外にも”単なるオシャレとは全く異なる感覚”で楽しんでいる人が多いように感じます。例えば僕個人にとってはジャズは”アツイ演奏”だとか、”かっこいい音楽”、むしろ”若者のメラメラと燃える活力を彷彿とさせる”、そんなイメージなのです。

大学のジャズ研究会でも上手いなと感じる人は、そういった感覚を持っていることが多く今でも頻繁にやりとりをしていることが多いです。

僕は高校時代、名古屋でHipHopのダンス部に所属していました。

当時、は3代目J-Soul Brothersが日本レコード大賞を受賞したり、歌だけでなくダンスやPVでもかなり魅せてくるグループが多く台頭してきたように思えます。Exileや3代目Jsoul、AAA(トリプルエー)やDa-ice、Twice、BigBangなどです。そう言ったアーティストを見てカッコいいなと思っていた高校生の一人であった自分は、アルバイトをして週1でダンスのスタジオ(教室のこと)にも通うほど、熱中していました。(周りには週に3〜4とかの人とかも結構いましたが^^;)勉強も上位を維持しながらという意味では、周りと比べてだいぶ本気で取り組んでいたと思います。またプロのプレイヤーを間近でみる機会も多かったです。今思えば自分がジャズといち早く馴染んだのはHipHopのダンスで受けた感銘を近いものあったからだと思います。

少人数編成のジャズセッションでは、良い演奏や、カッコいい、気持ちのこもったアドリブを弾くと、観客やメンバーから、拍手や、声援をもらったりします。これはダンスでも一緒で、事前に振り付けは決まっていますが、それぞれが対等な場合(先生と生徒とかではなく)目立つシーンをそれぞれ同じくらい用意したりすることが多かったです。それこそ声援もあります。観客と出演者が、相互に作用して盛り上がる、そういう芸術として両者は意外と似ているのではないでしょうか?

義務教育の音楽の授業で全く扱われない

皆さんは小中という義務教育の中で、音楽の時間にどんなことをやりましたか?鍵盤ハーモニカ、リコーダー、合唱など、歌のテストじゃめちゃくちゃ嫌だった人もいるかもしれません。

あとは、音楽鑑賞などがありました。一応曲の種類としてスイングジャズである”茶色の小瓶”などはありました。しかし即興演奏やコード理論といったものは大学の一般教養まで、音楽学校でもない限り、結局授業として知ることはありませんでした。僕個人としては、別にそれらの内容が大学生でないと理解できないものである、と感じませんでしたし、むしろ思春期の多感な時期の子供にこそ、自己表現の場、ラフにいろんな世代の人とつながる空間として、ジャズのセッションのような場所はアイデンティティの確立に良いのではないかと思います。

ジャズを取り巻く環境の問題

日本において今では古い音楽として知られるジャズですが、大衆音楽として人気だった時期がありました。それはアートブレイキーとともに来日したジャズメッセンジャーズが人気を博した1950年後半から1960年代のジャズ黄金期です。この頃のジャズは、ハードバップとよばれメロディアスでわかりやすい音楽でありながらプレイヤーの個性や情熱を表現することができる、芸術性と大衆世の両立を可能にした音楽であったとして知られています。

このあとロックの台頭によってジャズは存続の危機に面するのですが、フュージョンソウルジャズなど、形をかえて生き続けます。

しかし、当時日本で絶大な人気のあったハードバップも、その音楽を聴いていた年齢層が高齢化し、中高年以上となっていることで年齢的にも関わる機会が少ないので若い人に本当のジャズのイメージが広まりにくいのです。

また、これは自分が年老いても同じことがいえると思いますが世代ごとの価値観の違いというのはここ数年でより一層大きくなっていると感じます。それは生活水準の向上のスピードと比例すると私は考えます。そのため、ジャズバーやジャムセッションなどの場所の多くには若い人はほとんどいないですし、価値観の相違からか閉鎖的な場であるために、場所によっては新しく参加する人とギクシャクすることもしばしばあるようです。

僕個人の意見としては、そういったジャズを取り巻く環境の多くが多様性に欠けた状態ではジャズ本体の良さが伝わらないどころか、悪いイメージで終わってしまうのは大変残念なことです。一部の熱狂的なジャズファンの方は”ジャズは人気がないことが、それがまた良いんだ”とおっしゃる方もいましたが先人たちがジャズの価値観を存続させるために、若い音楽を取り入れるなど、あらゆる年齢層に価値を伝える努力をしてきたこととは、逆行した考えであると個人的には思います。

そんなわけで僕自身も古いジャズだけでなく、現代的なジャズやヘビメタ、ボカロ、Hiphop、J-pop、K-Popなど幅広い音楽ジャンルの良さをよく咀嚼して味わっていきたいと思っています。

最後に、”ジャズは音楽の形式(ジャンル)ではなく、即興音楽である”と言った

エヴァンスの名言で、締めたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。