今回はジャズピアニスト紹介ということで、John Lewisについて取り上げたいと思います。
経歴
ジョン・ルイス本名をジョン・アーロン・ルイス(1920-2001)
彼はアメリカ合衆国のイリノイ州に生まれましたが、生後2ヶ月でニューメキシコ州に移ったため幼少期は実質ニューメキシコ州で育ったといえます。両親が離婚した後、母親に引き取られました。彼女は腕の良い歌手でしたが、病気で亡くなります。ルイス4歳の時でした。
そして祖母と大祖母に育てられることになります。
1927年ジョン・ルイスが7歳の頃、音楽への興味からクラシックピアノを学び始めます。
父親とは離婚、母親は亡くなるという幼少期の家族の環境にはあまり恵まれなかった彼でしたが、ラッキーなことに彼の家系は音楽一家だったので家族バンドを組むことができました。そしてジョン・ルイスはそのバンドでピアノ演奏を許される機会がありました。他にもボーイスカウトなどでも演奏しており、腕を磨きました。
また、彼はピアノのレッスンをクラシックのスタイルで受けていましたが、同時に若い頃からジャズに触れる機会が豊富でした。
実は、彼の祖母が大のダンスミュージック好きで、よく演奏していたのです。当時のダンスミュージックといば、スウィングジャズだったと思います。(Satin DollやThe Preacherなど)
このように幼い頃からルイスはジャズ良く聴いていたんですね。
功績
彼の功績として有名なのはMJQ(モダンジャズカルテット)のピアニスト、リーダーとして手腕を振るったところでしょうか、実際MJQが発足した当時、ビブラフォン奏者のミルト・ジャクソンは楽譜がほとんど読めない様子で、ベーシストのパーシー・ヒースは全く読めなかったらしく、そこで彼は仲間に色々教えたようです。グループ全体の能力を底上げしまとめあげたのは彼の力によるものと言えるでしょう。MJQに関してはあのマイルス・デイヴィスも高く評価しています。(具体的にはまた後のブログで)また、ジャズといえば当時、麻薬の常習などジャンキーなイメージを持たれていたことで中々民衆に歓迎されないムードがありました。
そんな中、彼はクラシック音楽の要素をジャズに導入したのです。
例えば、事前にアドリブの長さが決まっている曲、構成がきちんとした曲、クラシックのホールで厳かな雰囲気の中で演奏するなどして、当時のジャズのイメージを覆しました。彼はビバップのスタイルを理解はしていましたが、完全に染まることはなく、クラシックの音楽理論の範囲での解釈にとどめました。そのピアノの音色は透き通ったような音でとても印象的です。
有名なアルバム
Afternoon In Paris
同アルバムに収録されている”Afternoon In Paris”はジャズのスタンダードとしても知られており、テナーサックス のソニー・ロリンズ、タビー・ヘイズをはじめ、ピアニストのトミー・フラナガン、ケニー・バレル、ローランド ・ハナらなど名だたるジャズマンらにカバーされています。また、当時のフランスの若手ギタリスト、シャサ・ディステルともコラボしていることでも有名です。
今日のオススメ曲(ZAZ)
現代を代表するシャンソンのZAZ、彼女のサードアルバム”ZAZ PARIS”ではディレクターにあのクインシー・ジョーンズを起用した、かなり音楽的にも充実したアルバムとなっております。ZAZ自身の個性的な部分がやや隠れたという意見もありますが、一度は聴いたことのあるフランスの名曲を収録した、オススメの一枚です。ちなみに同曲はフランス語でパリの午後という意味で、実は先ほどのジョンルイスのAfternoon In Parisのボーカル付きアレンジ版となります。お洒落な紙のジャケットの仕様なのも魅力の一つです。ぜひ一度手にとってもてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました。それではまた!